畳は畳床・畳表・畳縁の三つの部分から構成されています。
畳は表面の畳表と芯の部分の畳床を重ねたものに、畳縁を縫いつけて出来上がっています。
畳表
畳表は主原料のイ草を横糸に、麻糸を縦糸として織られたもので、イ草の種類によっていくつかの等級に分けられます。
畳一帖分に4000本以上のイ草が使われています。
畳床
畳床は畳の最も重要な機能を担っています。従来の畳床は稲ワラが使われていましたが、最近では吸放湿性、
断熱性、弾力性の高い、ポリスチレンフォームやインシュレーションボードなど丈夫な素材が使われています。
畳縁
畳縁は化学繊維、綿、麻、絹などの素材でできています。畳縁にはいろいろな種類があり、錦織デザインの
繧繝(ウンゲン)縁、大小の地紋を織り込んだ高麗縁、そして現在最も使われている柄縁などがあります。
畳の特徴
畳床のなかの空気が高い断熱性と保温性を生みます
5センチほどの厚さの畳床にはその材質に空気がしっかり詰まっています。空気は熱を伝えにくいという性質があります。
つまり畳は冷たい空気をシャットアウトし、たくわえた熱を逃さない羽毛布団と全く同じ。だからあたたかく心地よいのです。
い草の香りはリラックス効果抜群で、空気も浄化します
畳のすがすがしく懐かしい香りはい草によるものですが、い草の香りには鎮静効果があります。
また東大工学部の研究によって、い草が人体にあまりよくない二酸化窒素を吸着する働きがあることが分かりました。
畳は空気を浄化しながら、私たちに森林浴と同じようなリラックス効果をもたらしてくれるのです。
吸音・遮音効果があり、足音も気になりません
畳の部屋は他の部屋に比べて、静けさを感じます。これは視覚的に「落ち着き」を感じるからだけではなく、
実際に畳床の空気が余計な音を吸収してしまうから。衝撃を弱くする弾力性に加え、この吸音効果があるから、
畳の部屋はいつも静かで、少々乱暴に歩いてもその震動や足音が弱まるのです。
優れた吸放湿性で高温多湿な日本の住まいにぴったり
夏は涼しく、冬は暖かいという畳の利点を生み出しているのは、畳表のい草と畳床。い草がスポンジとなって
湿気を吸収し、畳床の中の空気が湿気を放出しながら、効率的に呼吸しているわけです。畳一帖分の
自然吸湿能力は約500ml。ゆっくり湿気を吸って吐く畳は、高温多湿の日本の気候に最適な床材です。
弾力性があり、自然の色だから心にも体にも馴染みます
畳の表面(畳表)のい草がスポンジ状の構造で空気をたくわえ、ふかふかした感触を生み出しています。
畳床にも空気はたっぷり。こうした空気がクッションとなり、寝転べば心地よく、転んだ時でも衝撃を和らげて
くれるのです。また畳の色は人間の皮膚に近い自然色。畳は安らぎの触感と視覚を与えてくれます。